須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成31年3月号掲載
「サボタージュマニュアル」 
  先日、ある会合でサボタージュマニュアルという耳慣れない言葉を初めて知りました。早速ネットで調べてみるとサボタージュマニュアルとは、CIAの前身に当たる第2次世界大戦中に米国の諜報機関OSSが作成した諜報員向けのマニュアルの事だそうです。当時、敵国や占領下にある国に対して、組織活動や生産性を妨害して弱体化させるために米国が作成しました。敵国等を弱体化させるコツは次のように要約しています。

管理職として潜入した諜報員向け
従業員のモラルと生産性を下げよ。効率の悪い従業員を優遇して待遇を充実させ、優秀な従業員に対しては不公平な理由で??れ。
・何事も決まったルートで行うようにし、決断を早めるための近道を認めるな
・会議では長いスピーチを頻繁に行え。自分の言いたいポイントを説明するのに、個人的な経験や  逸話をたくさん盛り込め
・さして重要でない業務は、完璧に行うように要求せよ。
・重要な仕事がたくさんあるときに限って、会議を行え。
・会議の議事録や通信文は、些細な言葉遣いまでチェックして訂正させること
・前回の会議で決まった事項を取り上げて、その決定の可否を議論し直せ
・全ての規則を厳格に適用し、何事にも承認がいるようにせよ

労働者として潜入した諜報員向け
 仕事は非効率的に時間をかけて行え。ひとつの作業に必要な工数を増やし、効率よく出来るツールを使わないで、効率の悪いツールを使え。
・電話の受付では、間違った内線番号につないで時間を長引かせ、「誤って」 切ってしまえ
・最もらしい理由をつけてペーパーワークを増やし、ファイルの数を増やせ
・指示の意味が理解できなかったふりをして、何度も聞き直せ
・重要なファイルを間違ったファイルに保存せよ
・自分のスキルや経験は、新人に教えるな

この他にも、まだまだたくさんの指示があるようです。
これが成功すると組織が機能しなくなり、メンバーの士気も落ちるということです。要するに物事をできる限り非効率化してスムーズに進まないようにし、重要事項が優先されないようにすることです。
戦争中のマニュアルですが、現代にも通じるものがあると思いますがいかがでしょうか?


                所長 須田幸英
 事務所通信3月号掲載
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